キャパシターとは

キャパシターとは(What is Capacitar)

キャパシター(Capacitar)は、
こころとからだを整えるための、
いつでも・誰でも・どこでも行える、
セルフケアの方法です。

特別な道具や専門的な知識がなくても、
日常生活の中で無理なく
取り入れることができます。
自身が癒しのちからを持っていることを知り、
勇気づけてくれます。

世界各地で、
日常的なセルフケアから緊急支援の現場まで、
さまざまな場面で活用している
仲間とつながります。

キャパシターとは何ですか?

キャパシター(Capacitar)は、
ストレスや不安、緊張や怒りなどの感情を感じたときに、
自分自身でこころとからだを整えることのできるセルフケアの方法です。

呼吸や、体に触れるやさしい動き、
簡単な体操などのセルフケアの方法を通して、
心身の緊張をゆるめ、
落ち着きを取り戻していきます。

医療や治療に代わるものではなく、
誰でも自分自身で行うことができるセルフケア
として、
日常生活の中で取り入れられる点が特徴です。

日々のセルフケアとしてはもちろん、
災害や事件、社会的な危機など、
強いストレスにさらされる状況においても活用されてきました。

年齢や背景を問わず、
一人でも、グループでも実践することができ、
状況や場に応じて柔軟に活用されています。

キャパシターの背景

キャパシター(Capacitar)は、
スペイン語で「いのちの力を引き出す」という意味を持つ言葉に由来しています。

この実践は、1988年、内戦終結後のニカラグアで生まれました。
長く続いた紛争の影響により、貧困や暴力、深い喪失やトラウマ的なストレスを抱えた人々が、
自分自身の健康と尊厳を取り戻すために
簡単なマッサージや体操、呼吸などの方法を互いに分かち合ったことが始まりです。

専門家による治療や支援が十分に行き届かない状況の中で、
人々は「自分たちにできること」を探し、
こころとからだの状態を自分自身で整えるための
シンプルで安全な方法
少しずつ育てていきました。

その後キャパシターは、
紛争や災害、社会的不安の影響を受けた地域を
中心に、
中米・南米・北米、ヨーロッパ、中東、アジア、アフリカなど、世界各地へと広がっていきました。

現在では、45か国以上で、地域の人々や支援者が主体となり、
心身のセルフケアを共有する草の根の取り組みとともに、
大学での研究や病院や学校などにおける実践が続けられています。

キャパシターは、「誰かに治してもらう治療」ではなく、
一人ひとりが自分の力に気づき、回復への道を選び取っていくことを大切にしています。
文化や宗教、専門分野の違いを越えて
実践できることが、
国際的に共有されてきた理由の一つです。

創設者パトリシア・マティス・ケイン博士(Patricia Mathes Cane, PhD)

キャパシターは、
パトリシア・マティス・ケイン博士によって創設されました。

博士は、誰もが安全に実践でき、
文化や立場を越えて共有できるセルフケアとして
キャパシターを体系化しました。


博士は、心理学者・多文化健康教育の
専門家として、
30年以上の長きにわたり、世界各地の紛争地域や被災地、
暴力や社会的不安の影響を受けた地域など、
求められればどこへでも赴いてキャパシターを伝える活動を続けてきました。

日本へは2013年以降毎年来日し、
東日本大震災の被災地を訪問するとともに、
日本国内各地でキャパシターの実践を紹介してきました。

2013年6月の初来日の際は12日間で16か所を回ってキャパシターを伝えました。
こうした継続的な来日と交流を通じて、
日本におけるキャパシターの活動が広がっていきました。

現在、キャパシターは
Capacitar International を中心とした
国際的なネットワークとして、世界各地で実践されています。

キャパシターでは何をするのか

キャパシターでは、
こころとからだの反応にやさしく気づきながら、
緊張や負担を少しずつゆるめていくための実践を行います。
呼吸、姿勢、やさしい動き、セルフタッチなど、
シンプルで取り入れやすい方法を用いてセルフケアを行います。

無理に過去の出来事を思い出したり、
感情を掘り下げることを目的とするものではありません。
その時々の状態を尊重しながら、
「今、ここ」でできるセルフケア
を大切にします。

特別な環境や設備を必要とせず、
日常生活の中で一人で行うことも、
グループで共有することも可能です。

被災地や事件後の支援の場においても、
現地の人々や支援者と共に、
安心して取り入れられるセルフケアとして活用されてきました。

家庭、地域、教育・支援の現場、自治体・企業研修など、
さまざまな場面で活用されています。

キャパシターのセルフケアツール

キャパシターには、
日常の中で取り入れやすい、いくつかのセルフケアツールがあります。

たとえば、

  • 指をやさしく握るセルフケア(Finger Hold)
  • 呼吸を使ったセルフケア(Breathing Practices)
  • 感情開放技法・タッピング(Emotional Freedom Techniques / EFT)
  • 簡単な身体の動きや姿勢(Simple Body Practices)
  • イメージを用いたセルフケア(Visualization)
  • 組になって、または一人で行う手当て(Head Hold)

いずれも、特別な道具を必要とせず、
自分の状態に合わせて選び、行うことができます。
組になって行うことも、こどもが大人にしてあげることもできます。

指を握るセルフケア

ゆっくり1本ずつ指を握り、呼気とともに指につながっている感情を吐き出すことをイメージし、
吸気とともに癒し、ネガティブな感情を英知に変える勇気、自己受容を吸い込みます。

簡単な体のうごき

飛ぶ動きや障害を乗り越えるイメージ、弓を射る動きや境界線を設定するイメージを組み合わせた動きなど、様々な体の動きを行います。

組になって行う手当

深く心が落ち着くポイントに、やさしく手を当てます。
自分で行うこともできます。

キャパシターでは、

一人ひとりが自分の心身を整えることが、
家族や地域、社会における安心や回復につながっていく、
という考え方を大切にしています。

セルフケアは、個人のためだけのものではなく、
周囲との関係性やコミュニティを支える
基盤の一つであると捉えられています。

キャパシターは、医療行為や治療、診断を目的としたものではありません。
宗教や特定の思想に基づくものではなく、心身のセルフケアとして、
参加者一人ひとりが自分のペースで選び、実践できる方法です。